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歯ぎしりについて(原因と治療法)

2021年05月22日

🦷歯ぎしりはなぜ起こるのでしょうか?

浅い眠りのとき、頬の筋肉が過度に収縮

睡眠中の歯ぎしりには、上下の歯をギリギリと横にすり合わせるグラインディングと、あまり音を立てず強く噛みしめるクレンチング、その両方が混在したタイプがあります。いずれも珍しいものではなく、人口の5~15%が睡眠中に歯ぎしりをすると言われるほど。それどころか、だれでも寝ている間、多少は歯を合わせています。ただ、一定以上の強さや回数だと、後述するような悪影響があるため対処が必要となります。

なぜ歯ぎしりをするのか、くわしい原因はわかっていませんが、遺伝や飲酒、喫煙、カフェイン摂取、ある種の抗うつ薬の服用、ストレスなどの関与が指摘されています。

じつは歯ぎしりは、浅い眠りのときに起こることがわかっています。人間は深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返し、深い眠りのとき筋肉の動きは抑制されています。そして眠りが浅くなると抑制が解け、その拍子に咬筋(頬の筋肉)が動き、歯ぎしりが起こると考えられるのです。先にあげた飲酒や喫煙、ストレスなどは、睡眠を浅くする要因であり、とくにストレスは、歯ぎしりの7~10%に関与していると言われます。

特定の遺伝子型の人は、ほかの人の約5%、歯ぎしりをしやすいことがわかっています。また、睡眠時無呼吸症候群の人は眠りが浅く、歯ぎしりをしやすい傾向にあります。胃酸が食道に逆流する逆流性食道炎も、眠りが浅くなるので歯ぎしりの原因になると報告されています。

 

🦷歯ぎしりはなぜ悪いの⁇

歯が削れたり折れる。ほかの疾患の原因にも

ある研究によると、睡眠中の歯ぎしりの際に出る力は、日中、意識して思い切り噛みしめたときに出る力よりも大きくなることがあります。中には、ギリギリと5分間も歯をすり合わせる人や、一晩で計何十分も歯を食いしばっている人もいます。

歯ぎしりを続けると、多くは歯がすり減ってしまいます。また、歯が欠けたり、根っこから折れたりすることもあります。歯が何本も抜けている場合は、残った歯に力が集中するので、なおさらその歯が短くなってしまいます。以前は、噛み合わせが悪いから歯ぎしりをすると言われていましたが、今は反対で、歯ぎしりをするから、噛み合わせが悪くなることがわかっています。

せっかく入れたインプラントやセラミックの歯も、欠けたり割れたりします。また、歯が揺らされることから歯周病が悪化することもあります。さらに、顎に負担がかかり、顎が開きづらくなる顎関節症を引き起こすこともあるのです。

 

🦷治療法

歯ぎしりが気になったら、まず歯科を受診しましょう。歯科ではケースに応じて適切な治療法を提案してくれます♪

①マウスピースによる治療

歯ぎしりの治療法として最も一般的なのが「スプリント療法」です。患者さま専用のマウスピースを製作し、就寝時に装着することで歯ぎしりを改善します。  

 

 

 

 

 

②薬で筋肉の緊張をほぐす

上述したように、歯ぎしりはお口周りの筋肉の緊張が原因となることもあります。そうしたケースでは、筋肉の緊張を和らげるお薬を使って、歯ぎしりを改善させることが可能です。

③噛み合わせを治す

噛み合わせの異常が原因となっているケースでは、咬合調整(こうごうちょうせい)で歯ぎしりを改善できることがあります。歯並びが大きく乱れている場合は、矯正治療が有効となることもあります。

 

🦷予防とまとめ

歯ぎしりを予防するには、その原因を取り除くことが対越です。具体的には「ストレスをため込まない」「噛み合わせを良くする」ことが大切です。日常生活の中でも「歯ぎしりをしない」ということを意識することが極めて重要といえます。

このように、歯ぎしりは主にストレスと噛み合わせの異常によって生じます。その悪影響は多岐にわたるため、出来るだけ早期に治療を受けた方が良いでしょう。あるいは、上述した方法を実践して、予防するよう努めることが大切です。

 

日本歯周病学会 認定医
日本歯内療法学会 専門医
日本歯科保存学会 認定医
アメリカインプラント学会 認定医
ジャパンオーラルヘルス学会 予防歯科認定医

米国ロマリンダ大学インプラント科 卒業
北海道医療大学 歯学部 歯周歯内治療学分野 非常勤講師
歯学博士

札幌歯科 坂本渉